VTIとVOOはどちらも長期積立運用のコアになる超優良ETF。だが、実は・・・。
そんな悩みを解決します。
私自身、米国株を中心に4,500万円程を運用中です。VTIはポートフォリオのコアとして運用しています。
VTIとVOOはどちらも長期積立運用のコアになる超優良ETF。
知名度も抜群なため、どちらに投資すればいいのかで悩んでいる人も多いと思います。
先に結論をいってしまえば、どちらに投資しても大差はありません。
長期的にポートフォリオのコアになるETFです。そうはいっても構成銘柄の違いからちょっとずつ差があることは事実。
この記事では構成銘柄や過去の値動きの違いなどから、VTIとVOOの違いについて解説していきます。
また、私がVOOではなくVTIをコアに運用している理由についても解説します。
この記事でわかること
- VTI・VOOの特徴比較
- 過去の実績から比較するVTI・VOOの違い
- 私がVOOではなくVTIを選んでいる理由
最後は好みの問題になりますが、どちらのETFを選ぶかの参考になれば幸いです。ぜひ最後まで見ていってください。
VTI・VOOの基礎知識と特徴
VTI、VOOともアメリカの資産運用会社バンガードが運用しNYSE Arca に上場するETFです。
名称はそれぞれ
- VTI:バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(Vanguard Total Stock Market ETF)
- VOO:バンガードS&P 500 ETF(Vanguard S&P 500 ETF)
VTIが米国に上場している3500社以上を投資対象としているのに対し、VOOはS&P500に採用される大型銘柄500社を投資対象にしています。
VTI、VOOそれぞれの特徴は次のような点です。
VTI
- 米国上場企業のほぼ全てが投資対象
- 大型銘柄だけでなく、中小型銘柄の成長も取り込める
- 経費率が激安
VOO
- S&P500採用500銘柄が投資対象
- GAFAMなど米国の大型銘柄中心に投資できる
- 経費率が激安
VTI・VOOの基本情報比較
VTI | VOO | |
---|---|---|
運用会社 | バンガード | バンガード |
設定日 | 2001年5月31日 | 2010年9月9日 |
資産総額 | 2,921(億USD) | 2,923(億USD) |
トータルリターン | 17.83%(3年)、15.44%(5年) | 18.54%(3年)、16.01%(5年) |
直近分配金利回り | 1.24% | 1.32% |
配当支払い月 | 年4回(3月・6月・9月・12月) | 年4回(3月・6月・9月・12月) |
経費率 | 0.03% | 0.03% |
構成銘柄数 | 3500以上 | 500 |
ベンチマーク | CRSP米国総合指数 | S&P500種指数 |
算出方法 | 時価総額加重平均 | 時価総額加重平均 |
VTI、VOOの最大の違いは構成銘柄数です。
VTIが3500社以上で、VOOと比較し分散効果が期待できます。
また設定年度に9年の差があり、実績面の違いがあります。
VTIはリーマン・ショックを経験済み、VOOはリーマン・ショック以降に設定されました。
VTI・VOOの構成上位銘柄比較
【VTI】
銘柄 | 比率[%] |
---|---|
Apple | 5.82 |
Microsoft | 5.07 |
Amazon.com | 3.00 |
Alphabet Class C(Google) | 1.84 |
Alphabet Class A(Google) | 1.65 |
Tesla | 1.58 |
NVIDIA | 1.31 |
Berkshire Hathaway | 1.23 |
Meta(Facebook) | 1.13 |
United Health | 1.01 |
【VOO】
銘柄 | 比率[%] |
---|---|
Apple | 6.92 |
Microsoft | 6.03 |
Amazon.com | 3.60 |
Alphabet Class C(Google) | 2.18 |
Alphabet Class A(Google) | 2.03 |
Tesla | 1.90 |
NVIDIA | 1.64 |
Berkshire Hathaway | 1.58 |
Meta(Facebook) | 1.34 |
United Health | 1.20 |
上位構成銘柄には差がありません。
VTI・VOOのセクター比率
【VTI】
【VOO】
VTI・VOOの分配金と分配利回り推移
VTI、VOOとも順調に分配金を増やしてきています。
分配金利回りは、年平均でVTI1.76%、VOO1.75%でした。
高配当とはいえませんが、税引き後の日本円受け取りで1.3%程度の配当利回りです。
VTI、VOOはポートフォリオのコアとして利用する人も多いと思うので、1.3%程度であってもかなりの配当収入になるかと思います。
VTI・VOOのトータルリターン推移
- 年平均トータルリターン:9.81%
- 年平均トータルリターン:14.32%
配当込みのトータルリターンは両者とも順調に右上がりに推移しています。
VOOの設定がリーマン・ショック後というこもとあり平均リターンはVOOの方が高くなっていますが、2010年以降で見た場合はほとんど差はありません。
しかし年度別のリターンを見てみると、ちょっとした違いが見えてきます。
例えば2018年、VTIのトータルリターンは-10.47%と大きくマイナスでしたが、VOOは+5.79%とプラス成長を維持しました。
反対に2020年にはVOOが+17.89%に対しVTIが+20.66%と大きくアウトパフォームしています。
これはVTIに含まれる中小型銘柄の値動きが関係しています。
VTIとVOO 迷っているならVTI
ここまで過去の値動きや配当実績などから、二つのETFを比較してきました。
正直、比較するほど違いがわからなくなると思います。
そんな場合、私個人的な意見としてVTIを選ぶのが良いと思います。
私がVOOではなくVTIを選ぶ理由は次の3点です。
- VTIの方が1株あたりの株価が安い
- 過去の値動きがほぼ一致している
- 成長性高いグロース銘柄がS&P500に採用されるまで時間のかかることがある
1.VTIの方が1株あたりの株価が安い
2022年3月時点でVTIの株価は240ドル、VOOの株価は430ドルです。
米国ETFの最少購入単位は1株なので、VTIは218ドル(25,000円)、VOOは400ドル(46,000円)以上の資金が最低限必要になります。
少ない資金で投資ができる点で、VTIの方がハードルが低いといえます。
2.過去の値動きがほぼ一致している
記事の冒頭で述べたとおりVTI、VOOとも長期投資目線で見た場合には大差がありません。
次のチャートはVOOが設定された2010年以降のVTI、VOOの値動きを重ねたものです。
見てのとおり、全くといっていいほど同じ。
微妙にずれている期間もありますが、もはや誤差の範囲です。
これだけ値動きが一致していれば、どちらに投資しても同じといえます。
3.成長性の高いグロース銘柄がS&P500に採用されるまで時間のかかることがある
VOOはS&P500種指数をベンチマークにしているため、S&P500採用銘柄で構成される条件があります。
それに対しVTIは米国上場銘柄を時価総額順に採用するので、特に制限がありません。
今でこそS&P500に採用されGAFAMに次ぐポジジョンにあるTeslaですが、2020年にS&P500採用基準である
- 4四半期連続で黒字の利益を維持している
- 時価総額53億ドル以上
- 浮動株が発行済株式総数の50%以上
を満たしているにも関わらず、採用を見送られる事件がありました。
これはTeslaのビジネスモデルが自動車の製造販売よりも、CO2排出権のクレジット収入が主だったことに起因していたといわれています。
つまりS&P500はどれだけ時価総額が高くても、採用されないことがあり得るということです。
VTIは機械的に時価総額順で銘柄が決まるので、米国全体の成長を取りこぼすことがありません。
VTI・VOOはどこで買える?
VTIやVOOなどの米国ETFは楽天証券、SBI証券などネット証券での購入がおすすめです。
- 経費率が激安な、超優良米国ETFが充実している
- 自宅のPCやスマホアプリから簡単に購入できる
- ETFによっては購入時手数料がキャッシュバックや0円のものもある。
- 楽天ポイントやTポイントで投資ができる
- サポート体制がしっかりしている
など資産形成に役立つメリットが多いのが理由です。
この機会に口座開設を検討してみてください。
現代において証券口座こそが富の倉庫です。
持つモノと持たないモノの間で、差が開く一方なのは間違いありません。
複数の口座を利用することでより効率的に資産形成ができる点にも注目してみてください。
楽天証券とSBI証券であれば、お互いの優位な点を補完し合うことで利用者に大きなメリットがあります。
複数口座を使った効率的な資産形成のしかたについては、記事をまとめてあるので興味のある方はぜひ参考にしてくださいね。
まとめ:VTI・VOOは超優良ETF!どちらを選んでもOK
いかがでしたか?
日本人に人気の二大米国ETF、VTIとVOOについて徹底的に比較をしてきました。
- VTI・VOOの特徴比較
- 過去の実績から比較するVTI・VOOの違い
- 私がVOOではなくVTIを選んでいる理由
どちらも資産形成のコアにできる超優良ETFです。
決定的な違いは見当たらないですが、あなた自身に合った銘柄を選ぶための参考になれば幸いです。
この記事があなたの役に立つようであればうれしく思います。
最後まで見ていただきありがとうございました。