※当サイトの一部記事にはPRが含まれます

持株会のメリットとデメリット|リスクが高い!おすすめしない理由

株価が下がっていくチャートFIRE・セミリタイア
Declining bar chart with arrow going down vector cartoon illustration isolated on white background.
この記事は約9分で読めます。

長いこと従業員持株会に加入しているがあまり利益がでていない。。。
このまま加入し続けてメリットはあるのかな?

こんな悩みを解決します。

従業員持株会は基本的にはオススメしません。

奨励金や自動積立などメリット多めに見えますが、上手に利用しないと人生をダメにするくらいリスクの大きい制度です。

僕は従業員持株会で失敗しています。

投資の勉強をする前に、軽々しく持株会に資産を集中しすぎてソコソコの損失を出しました。

この記事では僕の苦い経験も踏まえて、持株会で失敗しないためのポイントについてお伝えしていきます。

[icon class=”icon-light-bulb”]この記事でわかること
  • 持株会のしくみについて
  • 持株会のメリット・デメリット
  • 持株会で後悔しないための方法

この記事を読めば「今の持株会の使い方はヤバいかもしれない」と気づくきっかけになると思います。

メリット・デメリットを理解し上手に持株会を利用できるようになってもらえると嬉しいですね。

ぜひ最後まで見ていってください。

従業員持株会について

従業員持株会とは会社が社員に自社株買いを勧める制度です。

毎月一定額を給与から天引きし、自動的に自社株に積立投資します。

積極的に社員が加入しやすいように会社が奨励金をだすことが多く、この奨励金が持株会最大のメリットです。

従業員持株会のしくみ

給与やボーナスからの天引き額(拠出金)に数パーセントの奨励金を上乗せし、毎月同じタイミングで自社株を購入します。

毎月同じ額、同じタイミングで買い付けるドルコスト平均法なので、時間分散されることで極端な高値つかみを避けられるようになっています。

配当金は自動的に再投資されるのが普通です。

また証券会社で株を購入する場合は通常100株単位(1単元)でしか購入できませんが、持株会の場合は1株からでも購入できます。

持株会は会社側からみると

  • 従業員の会社に対する帰属意識の向上
  • 自社に好意的な安定した株主の確保
  • インサイダー取引にならない

などのメリットも多く、導入している企業は比較的多いと思います。

従業員持株会のメリット

従業員持株会のメリット

従業員側のメリットは主に次の3点です。

従業員持株会のメリット
  1. 奨励金が支給される
  2. 天引きなので自動積立投資ができる
  3. 少額投資が可能

1.奨励金が支給される

前述したとおり従業員持株会最大のメリットですね。これがあるから持株会に入っている人がほとんどじゃないでしょうか。

奨励金は給与からの拠出額に対し5〜10%くらいで支給する企業が多いと思います。

これはリスク0の確定利益なのでかなり大きなメリットです。これだけの高利回り商品はそうそうありませんからね。

奨励金にどれくらいの効果があるかをシュミレーションしてみました。

【例えば】

拠出額:毎月30000円(ボーナスは未考慮)

奨励金の支給率:5%と10%

積立期間:35年

平均リターン:0.18%(日経平均過去30年の平均リターン)

出典:楽天証券

35年コツコツ積み立てれば奨励金がない場合と比較して、5%の場合65万円、10%の場合130万円のプラスです。

けっして多いというわけではないですが、タダ同然でもらえるお金なのでお得ですよね。

2.天引きなので自動積立投資ができる

貯蓄にしても投資にしても毎月一定額を積み立てていくことが、資産形成では重要です。

持株会は給与天引きなので自動積立ができる点は大きなメリットだと思います。

特に、給与をもらった分全部使ってしまう貯蓄の苦手な人には効果大ですね。

大卒で入社してから毎月30000円を持株会で積み立て続ければ、年利3%で複利運用できたとして、それだけで老後2000万円問題は解決ですから。

3.少額投資が可能

通常、証券会社での株式購入は100株単位(1単元)ですが、持株会は1株単位での購入ができます。

これは大きなメリットです。

【例えばトヨタ自動車の株を証券会社で買う場合】

2021年5月時点のトヨタ自動車の1株は8300円程なので、最低でも83万円の資金がないと買えないわけです。

83万円=(8300円×100株)

なかなかの金額ですよね。簡単に購入できる金額ではありません。

ところが従業員持株会なら1株単位での購入が可能なので、月の拠出額が30000円なら3株購入できることになります。

日本株を購入する際の大きなハードルが少額投資しにくいことなので、1株単位で購入できるメリットは大きいです。

従業員持株会のデメリット

従業員持株会のデメリット

メリットも多い従業員持株会ですが、もちろんデメリットもあります。

従業員持株会のデメリット
  1. 給与所得と保有資産を同時に失う危険性がある
  2. 好きなタイミングで売却できない
  3. 投資している意識が希薄になりやすい

1.給与所得と保有資産を同時に失う危険性がある

僕が従業員持株会をオススメしない最大の理由ですね。人生を台無しにしてしまう可能性もある大きなリスクです。

理由は、務めている会社の業績が傾いた時に給与カットやボーナスカットと、株価の下落が同時に襲ってくるからです。

僕はこのパターンで失敗しています。

当時会社の業績は右肩上がりで株価も毎年のように最高値を更新していました。配当率も高かったので、もっと儲けたいと思って持株会への拠出額を増やしていったんですね。

資産残高がみるみる増えていくので気が大きくなってたと思います。

その後リーマンショックで会社の業績は急降下。株価も大暴落しました。配当金も減配、ボーナスもカット。

かなり悲惨な思いをしています。

毎日のように落ちていく株価を見るのがとてもツラかったですね。

僕のパターンは業績が傾いただけで終わったんですが、最悪は会社が倒産することもありえます。

そうなってしまったら給与収入が突然なくなり、持株会で積み立ててきた株はただの紙切れと化します。

こうなると人生、詰んだ感がありますよね。

これが自身の経験も踏まえて従業員持株会をオススメしない理由です。

一つの会社に給与所得と保有資産の両方を依存するのはリスクが高すぎます。

2.投資している意識が希薄になりやすい

持株会は投資をしている意識がとても薄くなりがちです。

給与から天引きされ、自動積立状態なので「株を買っている感」をほとんど感じません。

それは良いことでもあるんですが、リスク資産を買っている意識は常に持っておく必要があると思います。

持株会は会社側にとってのメリットが大きいので、従業員に良い点ばかりを見せて加入を勧めてきますが、何かあった時に会社はゼッタイに助けてくれません。

どこまでいっても投資は自己責任なんですよね。

会社の業績がダダ下がりして持株も50%下落。300万円の含み損をつかんで後悔。なんてことにならないようにしっかりとリスク管理をしていきたいですね。

これ僕のことですね。。。

3.好きなタイミングで売却できない

持株会で取得した株は好きなタイミングで売却できません。これは大きなデメリットです。

売却したい!と思ってからイロイロな手続きを踏んで2〜6週間は必要です。

株は売却のタイミングが重要です。

想定以上に株価が上昇したタイミングで利益確定したり、下落のサインがでたタイミングで損切りしたり。

大きく利益を得るのも、損失を最小限に抑えるのも売却のタイミングで決まるといってもよいと思います。

ですので好きなタイミングで株を売れないのは大きなデメリットなんです。

持株会で取得した株の売却方法

持株会で取得した株の売却方法

持株会で取得した株をどうやって売却するかについて説明します。

方法は一般的に二通りです。

  1. 持株会の売買を代行している証券会社で売却手続きする
  2. ネット証券に株式を移管後売却する

1.持株会の売買を代行している証券会社で売却手続きする

持株会には株の売買と管理を委託している証券会社があるのが普通です。

野村証券やみずほ証券、SMBC日興証券などに委託している企業が多いんじゃないでしょうか。

この証券会社に自分名義の証券口座を開設し、【一部引き出し】で持株会から自分の口座に株式を移動します。

引き出しが完了したらあとは好きなタイミングで売却できるというわけです。

順を追って説明します。

STEP
持株会が委託している証券会社に自分名義の口座を開設する

各証券会社に口座を開設します。
持株会よう専用Webページなどに詳細がのっていると思います。

STEP
証券会社の持株会Webページから引き出し申請をする

証券会社の持株会専用Webページから株式の【一部引き出し】申請を行います。
その際、100株単位(1単元)でしか引き出せないので注意が必要です。

STEP
証券口座から株の売却をする

引き出し申請をしてから1週間〜2週間程で完了通知が届きます。
自分の証券口座に株式が移動していることを確認したらあとは売却するだけです。

≪注意点

大手証券会社の売買手数料はバカみたいに高いです。

ですのでここで説明した売却方法はあまりオススメしません。

オススメは次に説明するネット証券を使った売買方法です。

2.ネット証券に株式を移管後売却する

前述した、株を【一部引き出し】処理した後に、楽天証券やSBI証券、マネックス証券など大手ネット証券に株式を移管後売却する方法です。

通常は株式の移管には手数料がかかるんですが、持株会から引き出した株式の移管には手数料がかかりません。

これを利用して、売却手数料が安いネット証券口座で売却します。

株式の移管手続きは電話でしか受け付けていない証券会社が多いです。チョット面倒ですが高い手数料払うくらいならと割り切ってササッと済ませてしまいましょう。

移管手続きは移管元の証券会社に電話をして【株式の移管申請】を依頼します。

数日後に申請書類が送付されてくるので移管先証券口座などの必要情報を記入して返送すればOKです。

数日〜数週間で移管完了の通知が送られてくるはずです。

移管手続きの際に移管先の証券口座情報(部店コード・機構加入者コード・加入者口座コードなど)は証券会社HPの【お客様情報一覧・口座情報・基本情報】などに記載されていますよ。

従業員持株会で後悔しないためには

従業員持株会で後悔しないためには

従業員持株会で失敗して後悔しないためには、分散投資を心がけることです。

投資の大原則は分散投資ですから。

給与所得も資産運用も全て1社に集中しているような状態は、リスク分散の点からありえないんですよね。

全てを自分が務めている会社に依存している状態です。

これがどれだけ異常なコトかを多くの会社員が気付いていません。

数年前の僕がそうだったし、今でも周囲の同僚で気付いていない人が大勢います。

持株会を利用するにしても、複数の投資先の1つとして一定比率以下で運用するくらいの使い方であればリスク分散にもなるかと思います。

また給与収入のリスク分散をする意味でも副業を始めることがとても有効です。

とにかくお金の出処をいくつも持っておくことが大事ですね。

ちなみに僕は現在、持株会はやっていません。
勤め先の会社に対する依存度をできるだけ下げたいからです。

最後に

いかがでしたか?

従業員持株会で失敗しないために次の3つのポイントをお伝えしてきました。

  • 持株会のしくにみついて
  • 持株会のメリット・デメリット
  • 持株会で後悔しないための方法

ドルコスト平均法で自動積立できて、タダ同然の奨励金がもらえて、会社の業績が良ければ株価も上がってと一見メリットが多いように見えるのが従業員持株会です。

しかし給与所得も保有資産も一つの会社に依存している状態は、リスク分散の点からとてもリスクの高い状態です。

そんな理由から僕は従業員持株会をオススメしませんと説明してきました。

利用するにしても他の投資先との分散投資や、副業で所得の手玉を増やすなど、リスクを分散しながら上手に利用することをオススメします。

この記事があなたの役に立つようであればうれしいく思います。