高配当ETFの中でもVYMは安定したキャッシュフローを生み出してくれる信頼性の高い銘柄
高配当ETFの中でもVYMは安定したキャッシュフローを生み出してくれる信頼性の高い銘柄ですよ。
米国の大型株の中でも財務が健全で、市場平均を上回る配当金を出す銘柄に幅広く分散投資したステキなETFです。
私自身ポートフォリオの10%程度に組み入れて安定した分配益を手にしています。
この記事では米国高配当ETF【VYM】の魅力について解説していきます。
この記事でわかること
- 【VYM】の特徴(構成銘柄・セクター比・株価推移・配当実績・分配利回り・トータルリターン)
- 他の高配当ETF【HDV】【SPYD】との違い
- S&P500ETFとの違い
高配当ETFは将来リタイア後のキャッシュフローを生み出してくれる魅力的な資産になります。
セミリタイアや早期リタイアを考えている人は、ぜひ最後まで見ていってください。
VYMの基礎知識・特徴
VYMはアメリカの資産運用会社 バンガードが運用し、NYSE Arcaに上場するETFです。
名称はVanguard・High・Dividend Yield ETF(バンガード米国高配当株式ETF)で、米国大型企業の中でも財務健全性に優れ、平均以上な配当利回り銘柄を集めたETFです。
VYMは次のような特徴があります。
- 株価の値動きが底堅く安定している
- 採用銘柄数が多いので分散が効いている
- 高配当ETFの中では設定日が古く、実績十分(リーマンショック、コロナショックを経験済)
- 経費率が低い
- 分配利回りが、高配当ETFの中では低め
- 安定的に増配している
VYMの構成銘柄は米国大型株の中でも、財務健全性に優れたディフェンシブ銘柄が中心です。
そのため株価の値動きが底堅く、安定しているのが特徴ですね。
逆にいえば成長銘柄が組み込まれていない分、大きな値上がりは期待できません。
構成銘柄数は400を超えているので十分な分散効果も期待できます。
VYMの基本情報
運用会社:バンガード
設定日:2006年11月16日
総資産額:455(億USD)
トータルリターン:12.53%(3年)、10.74%(5年)
直近分配金利回り:2.36%(2022年3月基準)
配当支払い月:年4回(3月・6月・9月・12月)
経費率:0.06%
構成銘柄数:410
算出方法:時価総額加重平均
ベンチマーク:FTSE High Dividend Yield Index
VYMの構成上位銘柄
銘柄 | 構成比率 |
---|---|
Johnson & Johnson | 3.24 |
JPMorgan Chase | 3.11 |
Home Depot | 2.78 |
Procter & Gamble(P&G) | 2.75 |
Bank of America | 2.37 |
Exxon Mobil | 2.30 |
Pfizer | 2.10 |
Chevron | 1.81 |
AbbVie | 1.73 |
PepsiCo | 1.71 |
ガチガチの高配当バリュー銘柄で構成されていますね。
59年連続増配を続けているジョンソン・エンド・ジョンソンや、65年連続増配中のプロクター&ギャンブルズ(P&G)など、安定感の高い銘柄が並びます。
VYMのセクター比率
景気敏感株の金融セクター比率が高めですが、全体的にまんべんなく分散されています。
生活必需品とヘルスケアで全体の20%以上を占めているので、景気後退局面に強いのが安心感につながりますね。
VYMの分配実績
年平均分配利回り:2.87%
リーマンショックの時には減配続きでしたが、それ以降はほぼ安定的に増配を繰り返しています。
年ベースで見た場合、2008年から2020で2.1倍も増配されました。
VYMのトータルリターン推移
年平均トータルリターン:9.53%
高配当ETF【HDV】【SPYD】との比較
高配当ETFとしてよく比較されるものにHDV、SPYDがあります。
VYMと比較して次の点が特徴です。
- エネルギーセクター比率が高い
- 分配金利回りがVYMより高め
- 構成銘柄数が75とVYMより少ない
- S&P500から高配当80銘柄を均等割で構成
- 分配金利回りが一番高い
- 不動産を含んでいる
SPYDの設定日2015年を基準に、配当金再投資なしと、再投資ありのトータルリターンで比較したのが次のグラフです。
総じてVYMの成績が他二つをアウトパフォームしています。
SPYDは上昇局面で他二つをアウトパフォームする値動きですが、下落局面での下がり方が大きいですね。実際2020年のコロナショックでは45%近くも下落しています。ポートフォリオのコアに持ってくるのはちょっとドキドキしますね。
S&P500との比較
VYMと同じヴァンガード社のETFで、S&P500に連動するVOOとの値動きを比較してみました。
こちらも配当金再投資なしと、再投資ありのトータルリターン比較です。
2017年くらいまではほとんど同じ値動きでしたが、それ以降は一貫してVOOがアウトパフォームしています。
これは2017年以降、GAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)を代表としたハイテクグロース銘柄が、市場をけん引してきたことが要因です。
VYMはバリュー銘柄を中心に構成されるので、グロース銘柄の株価上昇の波に乗れていないんですね。
VYMはどこで買える?
VYMなどの米国ETFは楽天証券、SBI証券などネット証券での購入がおすすめです。
- 経費率が激安な、超優良米国ETFが充実している
- 自宅のPCやスマホアプリから簡単に購入できる
- ETFによっては購入時手数料がキャッシュバックや0円のものもある。
- 楽天ポイントやTポイントで投資ができる
- サポート体制がしっかりしている
など資産形成に役立つメリットが多いのが理由です。
この機会に口座開設を検討してみてください。
現代において証券口座こそが富の倉庫です。
持つモノと持たないモノの間で、差が開く一方なのは間違いありません。
複数の口座を利用することでより効率的に資産形成ができる点にも注目してみてください。
楽天証券とSBI証券であれば、お互いの優位な点を補完し合うことで利用者に大きなメリットがあります。
複数口座を使った効率的な資産形成のしかたについては、記事をまとめてあるので興味のある方はぜひ参考にしてくださいね。
VYMをどうポートフォリオに組み込むべきか
VYMは底固い値動きをするETFですが、構成銘柄に成長株が組み込まれていないぶん爆発力に欠けます。
あくまで私の意見ですが、資産の最大化を目的とするならS&P500ETFのVOOや、IVVなどの方が向いていると思いますね。
その上で分配金によるキャッシュフロー目的で、高配当ETFをポートフォリオの一部に組み込むのがいいのかなと。
高配当ETFは市場の暴落時などでも、ある程度安定したキャッシュフローが得られるので、精神衛生上メリットがあるのは魅力です。
このアタリは個人の好みや投資目的で当然変わってくる内容ですね。ちなにみ私はインデックスファンドが50%、高配当のVYM、HDV、SPYDをそれぞれ10%ずつポートフォリオに組み込んでいます。
いかがでしたか?
米国高配当ETF【VYM】の魅力について解説してきました。
- 【VYM】の特徴(構成銘柄・セクター比・株価推移・配当実績・分配利回り・トータルリターン)
- 他の高配当ETF【HDV】【SPYD】との違い
- S&P500ETFとの違い
底固い値動きをしつつ、安定的に分配金を出してくれる頼もしい存在といった感じのETFです。
ここ数年はS&P500に対してアンダーパフォーム気味ですが、魅力が低下したわけではありません。
自分の投資戦略にあわせて考えてみてください。
この記事があなたの役にたつようであればうれしく思います。