QQQは米国のNASDAQに上場している企業のうち、時価総額の大きい非金融業100社にまとめて投資できるETF
QQQは米国のNASDAQに上場している企業のうち、時価総額の大きい非金融業100社にまとめて投資できるETFです。
米国の成長をけん引しているGAFAMが40%近く組み込まれていることから、今の米国の中枢といっていい名柄です。
私も自分のポートフォリオに10%程の比率で組み込んでいます。
この記事ではQQQが「どんな特長のETFなのか?」を私なりの意見を踏まえながら解説していきます。
この記事でわかること
QQQはハイテク専用ETFと思われがちですが、そんなことはありません。
幅広い銘柄に分散された、資産ポートフォリオのコアにできるようなETFです。
この記事を最後まで読めば、QQQをどうやって自分のポートフォリオに組み込めばいいかのヒントになるはずです。
ぜひ最後まで見ていってください。
QQQの基礎知識と特徴
QQQはアメリカの投資運用会社インベスコが運用し、NASDAQに上場するETFです。
名称はインベスコQQQトラスト・シリーズ1(Invesco QQQ Trust Series 1)。
NASDAQに上場する企業のうち、非金融系の上位100社を集めた指数NASDAQ100に連動することを目指したETFです。
NASDAQはS&P500、NYダウと並ぶアメリカの主要3大指数の一つで、ハイテク系やIT系を中心とした新興企業割合が多い特長があります。
ちなみに「National Association of Securities Dealers Automated Quotations」の頭文字をとってNASDAQです。
QQQの特長は以下のような点です。
- NASDAQの中でも時価総額の大きい100社で構成される
- GAFAMが構成名柄の40%を占める
- 最近10年でS&P500の3倍の成長
- S&P500と比較してボラティリティは高め
QQQの基本情報
- 運用会社
-
インベスコ
- 設定日
-
1999年3月10日
- 総資産額
-
2,000(億USD)
- トータルリターン
-
27.0%(3年)、23.65%(5年)
- 直近分配金利回り
-
0.48%(2022年4月時点)
- 配当支払い月
-
年4回(3月・6月・9月・12月)
- 経費率
-
0.2%
- 構成銘柄数
-
100
- 算出方法
-
時価総額加重平均
QQQの上位構成銘柄
銘柄 | 比率(%) |
---|---|
Apple | 12.53 |
Microsoft | 10.22 |
Amazon.com | 7.32 |
Tesla | 4.95 |
NVIDIA | 4.00 |
Alphabet Class C(Google) | 3.91 |
Alphabet Class A(Google) | 3.71 |
Meta(Facebook) | 3.52 |
Costco | 1.86 |
Broadcom | 1.83 |
見ての通り構成銘柄の上位はハイテク系企業で占められています。
GAFAMは多くの人が知っている大企業なので、GAFAM以外の構成銘柄について紹介します。
Tesla(テスラ)
TeslaはEVと電池マネージメント企業です。
すでに時価総額で日本のトヨタを抜いており、NASDAQでもFacebookより構成比率が上です。
Teslaの2021年第2四半期の売上高は約120億ドルでトヨタの7分の1程度ですが、期待値が時価総額を押し上げている高PER企業の典型ですね。
2021年に入って利益率が11%に達し、トヨタやGMと肩を並べるまでになりました。
期待先行に実績が伴い始め、成長まっしぐらです。
NDIVIA(エヌビディア)
主にGPUを製造販売する半導体メーカーです。
AI、データセンター、自動運転と成長トレンドの中心にある企業で、ベンチャー並に成長しています。
NDIVIAは自社に製造工場を持たないファブレス企業で、台湾のTSMCなどに製造委託をしています。
半導体セクターは2024まで年6%成長が予測されているので、まだまだ成長期待の大きい企業です。
Broadcom(ブロードコム)
無線、通信インフラ向けの半導体や、ソフトフェアを製造販売するメーカーです。
NDIVIAと同じく、半導体需要の高まりによって業績を急拡大しています。
PayPal Holdings(ペイパル)
電子決済サービスのPayPalを展開している企業です。
こちらも成長トレンド、フィンテック企業です。
聞いたことのある人、実際に利用したことがある人、多いんではないでしょうか。
PayPalのビジネスモデルは、インターネット上の買い手と売り手をクレジットカードを利用した決済手段でつなぎ手数料を得ることです。
インターネット上のクレジット決済は今後も成長性を期待できる分野です。
Adobe(アドビ)
1982年創業の老舗ソフトフェア企業です。
PDF、Illustrator、Photoshopなど、クリエイター系のソフトフェアで有名ですね。
新興企業ではないものの、クリエイター向けのサブスクリプションサービスPremiere Proなどが好調で現在進行系の成長企業です。
PERは50倍、Googleが30倍程度なので、その成長期待の高さがうかがえる企業です。
上記以外の構成銘柄
上で説明した以外にもQQQには成長性のある銘柄が多く組み込まれています。
Cisco system、Qualcomm、Zoom Video Communications、Netflix、Baidu、eBay、Moderna…
コロナで一気に知名度の上がったZoomやModernaもQQQ構成銘柄です。
QQQ構成銘柄の入れ替え
QQQが連動を目指すNASDAQ100指数の構成銘柄入れ替えは、12月の定時入れ替えと都度実施される臨時入れ替えがあります。
定時入れ替えはその年の10月末時点の株価、11月末時点の発行済株式総数をもとに決められます。
入れ替え時の条件は次の3項目。
- 既存の構成銘柄の場合、NASDAQ市場における時価総額の上位100位以内であれば継続採用
- 1.が100社未満の場合、101位から125位までで、かつ前年の定期変更時に上位100位内の銘柄を順に継続採用
- 1.および2.で100社に満たない場合、既存の構成銘柄以外の中で最も時価総額が大きい順に採用
臨時入れ替えでは、最近ZoomやModernaが新規に組み入れられた実績があります。
NASDAQ100は常に時価総額の大きい銘柄が採用されるような仕組みになっています。
QQQのセクター比率
テクノロジーが約50%弱を占めています。
GAFAMを含む構成上位銘柄はテクノロジーに分類されると思っている人も多いと思いますがそうではないです。
- テクノロジー
-
Apple、Microsoft、NDIVIA、PayPal、Adobe
- 情報サービス
-
Google、Facebook
- 一般消費財
-
Amazon.com、Tesla
それなりに各セクターに分散されています。
ここ10年間、破竹の勢いで成長してきたQQQですが、2022年に入ってからは直近の高値から15%以上の下落、弱気相場入りしています。
理由は、米国のインフレ高止まりと、それに端を発する利上げ観測の不透明感、想定よりも早く実施されそうなQT(量的引き締め)、ウクライナ情勢です。
市場にダブついていたマネーを回収することは、長期金利の上昇圧力となり、相対的にバリュエーションの高いグロース銘柄を多く含むQQQにとって向かい風になっています。
市場は何よりも先行きの不透明感を嫌います。
期待先行で株価を上げてきたQQQにとって、2022年はつらい一年になりそうな予感です。
QQQの分配金実績
QQQの構成銘柄はグロース企業が中心です。
グロース企業は得た利益をさらなる成長に投資するのが普通なので配当は出にくくなる傾向にあります。
Googleのように無配銘柄も多いですしね。
それでも年を追うごとに分配金が上がっているのはさすがだと思います。
QQQのトータルリターン推移
- 年平均トータルリターン:13.02%
2009年からほぼ毎年プラスリターンを続けています。
この間のマイナスリターンは2018年の一回だけ。
反対に分配利回りは急激な株価の上昇に伴って低下し続けています。
2014年の1.5%超をピークに現在は0.4%まで下がっていますね。
トータルリターンの推移を改めて見てみると、2000年前半のITバブル崩壊、2008年のリーマンショック時には-40%近くの下落を経験しています。
今でこそ市場をけん引しているNASDAQ100ですが、長期で見れば下落時期もあるということです。
QQQはどこで買える?
QQQなどの米国ETFは楽天証券、SBI証券などネット証券での購入がおすすめです。
- 経費率が激安な、超優良米国ETFが充実している
- 自宅のPCやスマホアプリから簡単に購入できる
- ETFによっては購入時手数料がキャッシュバックや0円のものもある。
- 楽天ポイントやTポイントで投資ができる
- サポート体制がしっかりしている
など資産形成に役立つメリットが多いのが理由です。
この機会に口座開設を検討してみてください。
現代において証券口座こそが富の倉庫です。
持つモノと持たないモノの間で、差が開く一方なのは間違いありません。
複数の口座を利用することでより効率的に資産形成ができる点にも注目してみてください。
楽天証券とSBI証券であれば、お互いの優位な点を補完し合うことで利用者に大きなメリットがあります。
複数口座を使った効率的な資産形成のしかたについては、記事をまとめてあるので興味のある方はぜひ参考にしてくださいね。
QQQをポートフォリオに組み込むべきか
QQQはS&P500とともにポートフォリオのコアに組み込むべきETFといえます。
理由は
- 優良指数NASDAQの上位100社で構成
- 過去20年の年平均リターンが12%、10年では18%を超えている
- GAFAMは成熟化しつつ成長し続けている
- 暴落時の下落率が低く回復の速度も早い
優良指数NASDAQの上位100社で構成
記事の冒頭でも説明した通りNASDAQはS&P500、NYダウとともにアメリカの3大指数の一つ。
その上位100社を対象としたQQQは信頼性抜群です。
過去20年の年平均リターンが12%、10年では18%を超えている
ITバブルやリーマンショック、コロナショックを乗り越え、かつ10%以上の平均成長を続けてきた実績も信頼の証しです。
もちろん過去は未来を移す鏡ではないので、今後のことはわかりませんけどね。
GAFAMは成熟化しつつも成長を続けている
NASDAQはベンチャーなど新興企業が強いイメージですが、全体の40%以上を占めるGAFAMの時価総額は1,000兆円を超えています。
これは日本の全企業の時価総額合計よりも上です。
GAFAMは時価総額でいれば十分成熟企業です。
それでも現在進行系で成長を続けているのがGAFAMなんですね。
成熟企業としての安定感を持ちつつ、成長性も高い!
安心して自分の資産を預けられる大きな理由です。
暴落時の下落率が低く回復の速度も早い
高PERのグロース銘柄は暴落時に市場平均よりも大きく下落するとされてきました。
ところがコロナショック時にはS&P500が-35%の下落だったのに対し、QQQは-28%。
2020年2月につけた大底から2021年9月現在までの上昇率はS&P500が+75%なのに対しQQQは+100%。
QQQは下落に強く、回復も早いことを実績でしめしました。
QQQをポートフォリオに組み込む時の注意点
積極的にポートフォリオに組み込むべきQQQですが注意点もあります。
- 金利上昇局面では下落しやすい
- 特定の期間で見れば市場平均を下回ることもある
金利上昇局面では下落しやすい
基本的にグロース株は金利上昇局面で下落します。
グロース銘柄は高PERなので、PERの逆数「益回り」は低くなります。
益回りと金利の相対的な差が小さくなるとグロース銘柄に対するリスクプレミアが低下し、売り先行になりやすいからです。
簡単にいうと
国債の金利が上がっているのにリスクをとってグロース株に投資しなくてもいいのでは?
と考える人が株を売るからってことです。
実際2022年に入ってからは、FRBのゼロ金利政策解除に伴い長期金利も上昇。
NASDAQは直近の高値から15%以上も下落しました。
特定の期間で見れば市場平均を下回ることもある
2010年以降で見ればQQQはS&P500をアウトパフォームしていますが、別の期間で見ればアンダーパフォームしている期間もあります。
次のチャートは2001年から2015年までのQQQとSPY(S&P500)を比較したものです。
この期間はS&P500がQQQを大きくアウトパフォームしました。
QQQといえどもタイミングを間違えば10年以上も市場平均以下ということもあります。
まとめ:QQQはポートフォリオのコアになるETF
いかがでしたか?
NASDAQ100指数に連動するETF、QQQについて解説してきました。
- QQQの特長
- QQQの構成銘柄・セクター構成
- QQQの株価推移・分配金・リターン推移
- ポートフォリオへの組み込み方・注意点
QQQは年平均10%以上のリターンを20年続けている超優良ETFです。S&P500と並んで資産形成ポートフォリオのコアになります。
ただしどんな優良銘柄でも、全力投球は市場の変化に対応しきれないリスクがあります。
あくまで分散投資が基本であることを忘れないようにしてください。
この記事があなたの役に立つようであればうれしく思います。