レビュー感想ブログ!実際に「幸福の資本論」を読んでみた
幸せに生きるってどういうことなんだろ?
そんな漠然とした悩みに答えを出せる1冊、橘玲さんの著書「幸福の資本論」について解説をします。
私は経済的自由を目指して、1カ月に5〜10冊程度の本を読む、本好きサラリーマンです。
「幸福の資本論」は「幸せとは?」という問に具体的な定義を持たせた、かなり頭のすっきりするような内容です。
この記事でわかる本書のポイント
この記事を読めば、あなたが幸せになるためには、「どのように行動すればいいのか?」のキッカケを手に入れることができます。
本書の要約と、最後に私なりの書評・感想も合わせてお届けします。ぜひ最後まで見ていってください。
【書評・感想】「幸福の資本論」要約すると人が幸福になるための条件をまとめた本
はじめに
著者の橘玲さんは、本書のプロローグで次のように述べています。
シンプルな事実として
「あなたがいまここに存在することがひとつの奇跡」
日本という国は治安、経済、ゆたかさなど多くの面で恵まれていて、「日本に生まれたということが最大の幸運」ですと。
だとしたら「幸福な人生」をどうつくりあげていくかは、「奇跡」と「幸運」をどう活かしていくか次第ということになります。
ところが
人は幸福になるために生きているけど、幸福になるようにデザインされているわけではありません。
本書はこうした困難を前提としつつも、「幸福に生きるための土台」の設計の仕方を提案した内容になります。
では「幸福に生きるための土台」をどうつくっていけばいいのか?
本書の内容に入っていきましょう。
人が幸福であるための3つの条件
人が幸福を手に入れるためには、まずはしっかりとした土台が必要になります。これは「家を建てること」と同じです。
脆弱な土台の上に無理矢理建てた家は、いずれ崩れてしまいますからね。
本書では人が幸福であるための3つの条件と、それぞれの条件に対応した土台を、「人生を支える3つの資本」として次のように定義しています。
人が幸福であるための条件 | 人生を支える資本(=土台) |
---|---|
自由 | 金融資産 |
自己表現 | 人的資本 |
共同体=絆 | 社会資本 |
土台の部分をもう少しわかりやすくすると、次のようになります。
- 金融資産 ⇒ 財産
- 人的資本 ⇒ 働いてお金を稼ぐ能力
- 社会資本 ⇒ 家族や友達などのネットワーク
つまり幸福の条件は
- 3つの資本(=土台)によって決まる
- その上にどのような家を建てるかは、一人ひとりの価値観で決めればよい
これが、本書の結論になります。
ちなみに3つの土台をどうやって持つかによって、人生は8つのパターンに分けられるそうです。
自分はどのパターンに当たるのか?どこを目指すのか? 一度考えてみてはいかがでしょう。
金融資本 | 人的資本 | 社会資本 | |
---|---|---|---|
プア充 | ✕ | ✕ | ○ |
貧困 | ✕ | ✕ | ✕ |
リア充 | ✕ | ○ | ○ |
超充 | ○ | ○ | ○ |
お金持ち(投資家/トレーダー) | ○ | ○ | ✕ |
旦那 | ○ | ✕ | ○ |
退職者 | ○ | ✕ | ✕ |
ソロ充 | ✕ | ○ | ✕ |
では、3つの資本をどのように積み上げればいいのかについて次章から解説していきます。
自由のための「金融資産」
金融資産、つまりお金は自由の土台。
お金がなければ自由ではない。
これがこの章で伝えているポイントです。
ここでいう自由とは経済的自由のことで、金銭的不安から開放された状態のことです。
なぜお金が自由の土台になるか?
組織や会社に生活を委ねている状態(金銭的に依存している状態)では、納得がいかないことがあっても、言いたいことも言えず、辞めることもできないからです。
組織や会社の言いなりになって生きる、自由ではない状態です。十分な金融資産があれば、そんなことはありませんよね。
気にいらないことがあれば、言いたいことを言い、辞めればいいだけです。
では自由の土台になる「金融資産」をどうやって大きくすればいいか?
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 資産を上手に運用する
この3つしかありません。
富は収入-支出+(資産×運用利回り)
このシンプルな式で成り立っているので、この3つの方法しかないんです。
とはいえ、収入を増やすのは簡単ではないし、利回りの低い日本では運用による収益も期待できません。そこで、まずは支出を減らすことからはじめます。
支出を減らすことはやればできることなので、まずはしっかりと倹約に取り組むことが重要なんです。
自己実現のための「人的資本」
人的資本とはお金を稼ぐ能力のこと。人的資本の大きさは収入に直結します。
つまりは
働く力の強い人が、人的資本が大きい
これがこの章の重要なポイントになります。
人の働き方は大きく二つに分けられます。
- クリエイティブクラス
- マックジョブ
クリエイティブクラスとは
- クリエイター ⇒ すぐれた才能やセンスを活かす仕事(スポーツ選手、アーティストなど)
- スペシャリスト ⇒ 専門性の高い仕事(医者、弁護士など)
のことです。
それに対しマックジョブとは、マニュアル化された責任を伴わない仕事(アルバイトなど)のことです。
このうち、働く力が強い、人的資本の大きい働き方はクリエイティブクラスになります。
ちなみに日本のサラリーマンは特殊で、スペシャリストとマックジョブの両方に股がっているそうです。
人は「働くこと」に対して、無意識のうちに二つの目標を設定しています。
- より多くの富を手に入れること
- 自己実現をすること
この異なる二つの目標を同時にかなえられるのが、理想の働き方であり、クリエイティブクラスというわけです。
では、どうやってそんな働き方を実現すればいいか?
好きなことに人的資本のすべてを投入することです。
人は好きなことであれば時間を忘れて没頭し、得意なこと(スペシャリスト)に近づくことができます。
反対にそれ以外のこと、嫌いなことは時間をかけてもできるようにはなりません。人はそういうふうにできているんです。著者は、これを人に組み込まれた遺伝的なものだと述べています。
つまり人的資本を大きく育てるには、好きなことへの一点集中がもっとも効率がいいと本書は述べているんです。
幸福のための「社会資本」
「社会資本」とは人間関係、つながりのこと。前述した「金融資産」「人的資本」と比べると数値化がむずかしい幸福の土台です。
しかし「社会資本」には、他のふたつにないとても重要な役割があります。
幸福は「社会資本」からしか生まれない
これがこの章の重要なポイントです。
確かにそのとおりで
巨万の富を手に入れても、そのことを知っている人がいなければ、たんなる紙切れ(電子データ)ですし、自己実現は社会での高い評価に依存しています。
そんな重要な「社会資本」ですが、本書では人間関係の濃淡差から3つに分けられるとしています。
- 愛情空間 ⇒ 最も大切な関係(家族、恋人)
- 友情空間 ⇒ 親しい友達
- 貨幣空間 ⇒ 漠然とした他人の世界
このうち愛情空間と友情空間は政治空間としてまとめられ、友情空間の外側には友達ではないけど他人ではない関係(先輩、後輩、上司、部下など)が広がっています。
政治空間の人間関係は自分の身近なものであり、すべてを大切にすればよいかというと、そういうわけでもないのです。
政治空間内には嫉妬や、憎悪、裏切りなどのドロドロした感情が渦まいているからなんですね。
ママ友の関係などはその典型です。
では幸せのためには、どのような人間関係を構築すればよいかというと、それは次の二つです。
- 小さな強いつながり ⇒ 家族や恋人
- 大きな弱いつながり ⇒ 必要な時にだけ集まって強力しあう関係
著者はこれを、人間関係を選択できる「フリーエージェント戦略」と表現しています。
こうすることで、わずらわしい人間関係から開放され、本当に大切な人とだけの関係を大事にできるとしています。
本書は、幸福になるための方法を具体的に提示してくれています。「経済的自由を達成した生き方」を目標にしている私にとって、大変参考になる内容でした。
この本でしめされている内容は、誰にでも実現できるものではないと思います。
それでも、「幸せになりたい」は人間の本質的な欲求です。
そのためには何をすればいいのか?
できる範囲で自分の人生にとりこむことは、誰にでもできるのではないかと思いました。
幸福の資本論を無料で読む方法
幸福の資本論は、無料で読む方法があります。
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まとめ:自分の価値観で幸せの土台を築いていこう
いかがでしたか?
橘玲さんの著書「幸福の資本論」について要約をしてきました。本書のまとめです。
人が幸福であるための3つの条件
- 生活を誰かに依存しない経済的自由
- 自己実現できる働き方
- 幸福を得るための人とのつながり
3つの条件を手に入れるために必要な「幸福に生きるための土台」
- 金融資産
- 人的資本
- 社会資本
土台の上に、一人ひとりの価値観で人生を構築していけばいい。それがその人にとっての幸福につながる。
最後まで見ていただきありがとうございました。
この記事があなたの役に立つようであればうれしく思います。