HDVはアメリカの中でも財務が優良で、配当水準の高い企業75社で構成された高配当ETF
HDVはアメリカの中でも財務が優良で、配当水準の高い企業75社で構成された高配当ETFです。
高配当ポートフォリオを目指しているなら、知っておきたいETFですね。
私自身ポートフォリオの10%程度に組み入れて、安定した分配金を手に入れています。
この記事では高配当ETF【HDV】の特徴や魅力についてお伝えしていきます。
この記事でわかること
高配当ETFは将来リタイア後のキャッシュフローを生み出してくれる、魅力的な資産になります。
セミリタイアや早期リタイアを考えている人は、ぜひ最後まで見ていってください。
HDVの基礎知識と特徴
HDVはアメリカの資産運用会社ブラックロックが運用し、NYSE Arcaに上場するETFです。
名称はiShares Core High Dividend ETF(iシェアーズ・コア 米国高配当ETF)で米国大企業の中でも財務健全性に優れ、配当水準の高い75社で構成されたETFです。
HDVの特徴は次のような点です。
- 分配利回りが高い
- キャピタル(値上がり)も右肩上がり
- 構成銘柄の回転率が高く、入れ替わりが活発
- 景気の後退、不況期に有利なセクター比率が高い
- 全体的にディフェンシブ銘柄が多い
- リーマンショック後に設定されたためコロナショックが初めての暴落
HDVの基本情報
- 運用会社
-
ブラックロック
- 設定日
-
2011年3月29日
- 総資産額
-
90.7(億USD)
- トータルリターン
-
8.77%(3年)、8.76%(5年)
- 直近分配金利回り
-
2.87%(2022年3月基準)
- 配当支払い月
-
年4回(3月・6月・9月・12月)
- 経費率
-
0.08%
- 構成銘柄数
-
75
- 算出方法
-
配当加重型
HDVの構成上位銘柄
銘柄 | 比率(%) |
---|---|
EXXON MOBIL | 7.51 |
ABBVIE | 6.78 |
JPMORGAN CHASE | 6.23 |
JOHNSON & JOHNSON | 5.78 |
CHEVRON | 5.44 |
VERIZON COMMUNICATIONS | 5.09 |
PROCTER & GAMBLE | 4.28 |
PHILIP MORRIS | 3.84 |
MERCK & CO | 3.60 |
BROADCOM | 3.54 |
ディフェンシブ銘柄の構成比率がとても高いのが特徴です。
反対にグロース銘柄は上位に顔を出していません。
59年連続増配を続けているJOHNSON & JOHNSON(ジョンソン・エンド・ジョンソン)や、65年連続増配中のPROCTER & GAMBLE(P&G)など、安定感の高い銘柄もしっかり組み込まれています。
HDVのセクター比率
各セクターによく分散されていると思います。
景気後退局面に強いエネルギー、ヘルスケア、生活必需品が上位をしめているので、ディフェンシブとしての機能を期待できます。
HDVは構成銘柄、セクターの入れ替わりがかなり活発です。
HDVの分配実績
安定的に増配を続けているのがわかります。
2020年のコロナショックの中でも増配をしたのは頼もしい限りです。
景気後退局面に強いセクター構成であるメリットが発揮されています。
HDVのトータルリターン推移
設定年2011年以降トータルリターン推移です。
- 年平均トータルリターン:10.45%
ディフェンシブな銘柄中心の構成ですが、10年で150%以上成長しています。
高配当ETF【VYM】【SPYD】との比較
高配当ETFとしてよく比較されるものにVYM、SPYDの二つがあります。
それぞれのETFの特徴は次のとおりです。
- 採用銘柄数が414と分散が効いている
- 金融セクターの比率が高い
- 3高配当ETFの中では分配率が一番低い
- S&P500から高配当80銘柄を均等割で構成
- 分配金利回りが一番高い
SPYDの設定年2015以降のリターンを比較したのが、次のグラフです。
HDVは他の2銘柄に対してアンダーパフォームしています。
特にコロナショック以降の回復傾向がVYM、SPYDと比較して緩いですね。
理由は次の2点になるかと思います。
- VYM、SPYDは金融セクター比率が高い
- アメリカの量的緩和と0金利政策によって金融相場が続いている
逆にいればSPYDのように大きく値動きしにくいので、ポートフォリオ全体のボラティリティを下げる役割を果たしてくれます。
HDVとSPYDは構成上位銘柄が完全に分かれているので、分散効果も期待でき相性が良いのも特徴です。
S&P500との比較
S&P500に連動するETF、VOOとのリターンを比較しました。
2016年までは、HDVとVOOはほぼ同水準で成長してきました。
2017年以降は一貫してVOOがアウトパフォームしています。
理由は2017年以降にアメリカの成長をけん引してきた、GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)のようなハイテクグロース銘柄の構成比率が低いことが要因です。
HDVはどこで買える?
HDVなどの米国ETFは楽天証券、SBI証券などネット証券での購入がおすすめです。
- 経費率が激安な、超優良米国ETFが充実している
- 自宅のPCやスマホアプリから簡単に購入できる
- ETFによっては購入時手数料がキャッシュバックや0円のものもある。
- 楽天ポイントやTポイントで投資ができる
- サポート体制がしっかりしている
など資産形成に役立つメリットが多いのが理由です。
この機会に口座開設を検討してみてください。
現代において証券口座こそが富の倉庫です。
持つモノと持たないモノの間で、差が開く一方なのは間違いありません。
複数の口座を利用することでより効率的に資産形成ができる点にも注目してみてください。
楽天証券とSBI証券であれば、お互いの優位な点を補完し合うことで利用者に大きなメリットがあります。
複数口座を使った効率的な資産形成のしかたについては、記事をまとめてあるので興味のある方はぜひ参考にしてくださいね。
HDVをどうポートフォリオに組み込むべきか
HDVは高配当ETFの中でも比較的値動きが穏やかです。
その分景気の上昇局面や、金融相場でも大きく値上がりすることは、あまり期待できません。
HDVの大きな魅力は高い分配率を安定的に維持してくれることに尽きると思います。
2020年のコロナショックで市場が大暴落しSPYDが大減配をした中でも、HDVはしっかりと増配を維持してくれました。
景気の良い時は気付きにくいですが、景気の悪い時にしっかりとポートフォリオの下支えをしてくれる銘柄はとても貴重です。
私自身のポートフォリオは、30%を高配当ETFで構成しています。内訳はVYM、HDV、SPYDを各10%ずつです。
前述したとおり、HDVとSPYDは上位の構成セクターが見事に被っていないので、分散投資の面で相性が良いです。
S&P500にしろ高配当にしろ、米国株式市場には成長性、安定性ある魅力的な銘柄が多くあります。
いかがでしたか?
米国高配当ETF【HDV】の特徴と魅力について解説してきました。
- 【HDV】の特徴(構成銘柄・セクター比・株価推移・配当実績・分配利回り・トータルリターン)
- 他の高配当ETF【VYM】【SPYD】との違い
- S&P500ETFとの違い
HDVは年率4%程度の分配金を継続的に出してくれる頼もしいETFです。
構成セクター上位は生活必需品、エネルギー、ヘルスケアがしめているので、ディフェンシブポジションとしての機能も持ち合わせています。
景気後退局面にも強い、まさにキャッシュ製造マシーンですね。
この記事があなたの役に立つようであればうれしく思います。